ちりかみボックス
香川県丸亀市 / 2020.05
 
旅館用のティッシュ箱の設計

丸亀市内に計画中の旅館の客室で使用する高級ティッシュ箱の設計。
 
「旅館」という場所の特性上、非日常でありかつ、使用時以外必要のないものの存在感を消すという工夫が必要である。つまりは、日常の中で比較的生活感の強い「ティッシュ箱」から生活感を消す手法が必要となる。
 
まず、既製品のティッシュ箱の見慣れた形状(ボリューム)から、わざと各寸法を変化させた。ティッシュ箱の形状はものとしての力が強いので、寸法を調整することでかなり「ティッシュ箱感」から離脱できた。
 
また、本来ティッシュが主役であるはずのティッシュ箱という立ち位置から、箱の方を主役とし「ティッシュも入れられる箱」という扱いにし、箱の美しさを優先し、箱の中央にあるスリットからティッシュが取るように設計している。ティッシュを取った後、次のティッシュがきれいな形になるので、使う前も使った後も常に美しい状態を保つ。
次のティッシュがきれいに取れるようにするためにスリットの箱内側をテーパー加工しているが、このテーパー度合いとスリットの隙間幅は少し変わるとティッシュの取れ具合に直結するので、何度も試作を行って調整した。
 

概要

設計:半田宗也 | 施工:イーマ木工
材料:ホワイトアッシュ3mm厚、木ダボ5mmφ | 塗装:ワトコオイル(クリア)
設計期間:2020年5月1日~5月31日 | 製作期間:2020年6月1日~8月31日

ちりかみボックス1

ディテール2

ちりかみボックス2

ディテール1